
うちの子に、私立中学は合うのかな?
高IQや発達特性を持つお子さんの中学受験では、親もたくさんの迷いがありますよね。
私の娘も、いわゆる2E(発達特性+高知能)タイプ。
公立小学校では、周囲と同じペースで学ぶことに強いストレスを感じていました。
「もっと知りたい」「もっと深く学びたい」そんな知的好奇心を満たせる環境を求めて、私立中学を受験。
入学してから気づいた「想定外の壁」もありましたが、それでも今は、受験させて良かったと心から思っています。
この記事では、
- 2E・ギフテッドの子が私立中学に通ううえでのデメリット
- 実際に通ってみて感じたメリット
- 学校選びで大切なポイント
を、体験を交えてお伝えします。
私立中学に通って気づいたデメリット
① 通学ラッシュは避けられない
電車通学で上り方面に学校があると、通勤ラッシュは避けて通れません。
娘も、
- 体調を崩す
- 荷物がドアに挟まれる
- 痴漢に遭う(実際にありました)
など、毎日の通学でさまざまなストレスを感じました。
もし可能なら、「徒歩圏内」または「下り電車で通える」学校が理想ですが、現実的にはなかなか難しいものですね💦
② 規則を守れないと進学が難しいことも
中高一貫校でも、出席・遅刻・提出物の管理などの基準を満たさないと、校へ進級できない学校があります。
娘の学校でも途中から基準が厳しくなり、「遅刻・欠席が多いと高校に上がれない」という新しいルールができました。
中2の頃から、起立性調節障害や過敏性腸症候群など、ストレス由来の体調不良が頻発。
登校したいのに体がついていかず、悔しい思いを何度もしました。
どんなにテストの点が良くても、欠席が多いと評価が下がってしまう学校もあります。
お子さんの特性を理解し、進級基準の合う学校を選ぶことが大切です。
③ 2E特有の「過剰適応」が壁になる
2Eやギフテッドの子は、頑張りすぎて無理をしてしまう傾向があります。
娘も最初は「友達に合わせなくちゃ」と気を張りすぎてしまい、心身ともに限界に達してしまいました。
集団行動が続く学校生活では、どうしてもストレスが溜まりがち。
親も、頑張りすぎているサインを早めにキャッチしてあげることが必要です。
それでも私立中学を選んでよかった理由
先生が怒鳴らない。安心して学べる環境
公立小学校では「怒鳴る」「長時間のお説教」という先生もいましたが、私立では先生が穏やかで、怒鳴る場面がほとんどありません。
私立校では平日に「研修日」があり、先生方にも心の余裕があるように感じます。
先生のメンタルが安定していると、子どもも安心して過ごせます。
授業の質が高く、知的好奇心が満たされる
娘の学校の先生は、担当教科にマニアックなほど詳しい先生ばかり。
オンライン授業で一緒に聞いていて、



私が学生の時にこんな授業をしてくれる先生がいたら、勉強がもっと好きになっていただろうな。
公立小で「こんなの簡単すぎる」と感じていた娘も、私立中に進学してからは「授業が楽しい!」と言うようになりました。
IT活用で提出忘れ・抜け漏れが減る
課題提出や連絡がタブレットやアプリで完結します。
紙の提出物をなくしたり忘れたりしやすいADHDタイプの子には、とても助かります。
先生もICTに慣れていて、「アプリで課題配信 → 生徒がタブレットに書いて送信」で完了。
公立に比べて効率的です。
保護者の負担も少ない電子化された運営
出欠連絡や書類提出、お知らせ配布なども電子化されているため、「子どもが手紙を出し忘れた」「提出物をなくした」などのストレスが激減。



正直、私自身が一番助かっています。
合う学校を見つけるために大切なこと
教育理念を理解して「ミスマッチ」を防ぐ
就職と同じで、学校の理念や教育方針を理解することが何より大切。
校風や指導方針が合わないと、せっかく入学しても苦しくなってしまいます。
特に発達特性のある子は「偏差値」よりも「教育方針との相性」を重視しましょう。
建学の精神や校訓に共感できる学校を選ぶのがおすすめです。
偏差値よりも「通い続けられるか」を重視
中高一貫校は6年間通うことが前提。
学力よりも「その環境に安心して通い続けられるか」が最優先です。
偏差値が高いからといって幸せになれるとは限りません。
むしろ、心の安定と知的充足のバランスを取ることが大切です。
情報収集と学校見学は親が主体で
私は毎年『首都圏版 中学受験案内(声の教育社)』を買い替えています。
地図で通学圏の学校が一目でわかり、制服や学費情報も一覧できてとても便利です。
説明会などのイベントは、最初はお母さんだけで参加して大丈夫。
実際に校舎の雰囲気を肌で感じることが、何よりの判断材料になります。
全国でも始まる新しい支援の動き
神奈川県では「私立中高一貫校の不登校対応センター」が設立されました。
不登校になっても、高校卒業まで支援が続く仕組みです。
📄参考:
朝日新聞「私立中に進学したが登校できない……神奈川県私立中学高校協会が作った不登校対応センターの狙いは」
また、教育ジャーナリストおおたとしまささんの書籍『不登校でも学べる 学校に行きたくないと言えたとき』
でも詳しく紹介されています。
まとめ:完璧な学校はなくても「合う学校」はきっとある
2Eやギフテッドの子どもたちは、理解ある環境に出会えれば驚くほどの力を発揮します。
娘も、たくさんの壁を乗り越えながら、今は高校に進学し、少しずつ自分のペースを取り戻しています。
「完璧な学校」はありませんが、その子に合う学校はきっとあります。
この記事が、迷うお母さんの背中を少しでも押せたら嬉しいです。