不登校は「終わり」ではなく「始まり」だった
上の娘が小学5年生のとき、二次障害(重度のうつ)を発症しました。
あの頃の私は、
Seiranこのまま登校できなかったら、この子の未来は絶望的
と毎日のように思い詰めていました。
けれど、あれから5年後。
不登校を通して気づいたのは、学校に行かないことで得られるものが、実はたくさんあるということ。
それは決して負け惜しみではなく、母として心から感じていることです。
もちろん、友達と過ごすのが大好きで、学校が楽しいお子さんは通えばいいと思います。
でももし、
- 特に会いたい友達がいない
- 授業に興味が持てない
- 家でやりたいことがある
- 学校が苦しい
そんな気持ちを抱えているなら、「行かない」ことで守れるものも確かにあります。
この記事では、不登校・登校しぶりの子を持つ親御さんに向けて、
「学校へ行かないことで得られる5つの力」を紹介します。
学校に行かないことで得られる5つの力
① 主体性が育つ
学校では、先生の指示に従うことが中心になります。
それに慣れてしまうと、自分で考えなくても一日は過ぎていきます。
子どもも保護者も「その方が楽」と感じてしまうことがあるでしょう。
でも、社会ではどうでしょうか?
誰かに指示されないと動けない人は、「指示待ち人間」と呼ばれ、評価されません。
自分で課題を見つけ、行動できる人が信頼され、チャンスをつかんでいきます。
学校という環境に15年間もいれば、「自分で考えて動く力」は鍛えづらいのです。
私自身も外資系企業に勤めたとき、意見を求められても何も言えず、主体性のなさに何度も恥をかきました。
それでも、母になって個性的な子どもたちを守るようになってから、やっと「自分の意見を持ち、行動する」力が育ちました。
学校に行かないことで、子どもは早くから、自分で考えて動く”練習ができます。
それは、将来社会で生き抜くための最も大切な力の一つです。
②やりたいことに集中できる
学校の授業は、すべての子が同じペースで進みます。
けれど、実際には一人ひとりの理解度も興味もまったく違います。
そのため、自分のレベルに合わない授業に長時間拘束されるという時間のロスが生まれます。
平日はおよそ6時間、さらに宿題。
一日のほとんどが“指示されたこと”で埋め尽くされ、子どもが「自分のしたいこと」に使える時間はほとんど残りません。
WISC検査で処理速度が低い傾向のある子どもにとって、効率的に時間を使うのはそもそも難しいのです。
娘が二次障害を発症したのも、そうしたストレスの積み重ねが原因でした。
学校に行かないことで、子どもは自分のリズムで一日を設計できるようになります。
息子はスクラッチでプログラミングに夢中になり、娘は読書やイラストに没頭できるようになりました。
やりたいことがまだ見つかっていない子も、自由な時間があればじっくり探すことができます。
「自分の好き」を見つけるチャンスは、学校の外にこそあるのです。
③ 「違い」を責められず、自己肯定感が守られる
不登校の子どもたちは、周囲と違う行動を取ることで「自分だけが特別」だと意識しやすくなります。
けれど本来、人と違うことは劣っていることではなく、個性そのものです。
学校という場所では、「みんなと同じ」が前提。
その中で少しでも違う部分があると、「変わってる」「できない」「空気が読めない」などのレッテルを貼られてしまうことがあります。
発達特性を持つ子にとって、それは大きなストレスです。
娘もかつて、



どうして自分だけみんなと違うんだろう
と自分を責めるようになり、次第に元気を失っていきました。
しかし、学校を離れて家庭中心の生活になってからは、
「違い=悪いことではない」と感じられるようになりました。
家族が受け止めてくれるだけで、子どもの自己肯定感は大きく守られます。
少数派であることを気にせず、自分のペースで過ごせることが心の安定につながるのです。
「自分のしたいこと」に使う時間は、よほど効率よく行動しないと確保できません。
WISC検査の結果では、処理能力項目が低い値のわが子たちは、「効率よく行動する」のは不可能です。
一日の時間がほぼ指示された事で埋め尽くされる。
娘が二次障害になるのは、当然だったのかもしれません。
学校に行かないことで一日を好きなだけ、好きな事に時間を使えるメリットは大きいです。
息子はスクラッチでプログラミングに熱中。
娘はイラストを描いたり、読書したりする事に時間をたくさん使えます。
やりたいことが見つかっていない子も、見つける時間ができます。
④ 平日に学び・体験の幅が広がる
学校に通っていると、平日はほとんど自由な時間がありません。
でも、不登校の子どもたちには、「空いている平日」という特別な時間があります。
平日の美術館や博物館、水族館、動物園は、人も少なく静か。
スタッフの方がゆっくり説明してくれることも多く、一つひとつの展示や生き物をじっくり観察できます。
混雑した週末や長期休暇に行くよりも、落ち着いて学べるうえに、入場料が安い平日料金になっている施設もあります。
こうした環境の中では、子どもの好奇心が自然と引き出され、学びが深まります。
大がかりなショーやイベントがなくても、「静かに見て、感じて、考える」時間こそ、
子どもの知的好奇心を育てる貴重な体験です。
学校という枠から離れてみると、世界は思っていた以上に広く、学びはどこにでもあることに気づかされます。
そしてもうひとつの大切な気づきは、学校で習うことだけが学びではないということ。
次の章では、学校では教えてくれない、社会に出てから本当に役立つ“生きる力”についてお話しします。
⑤社会で本当に必要な技能のみ身につけられる
学校で学ぶ内容の多くは、教科書に沿った一斉授業。
しかし社会に出てから、「これ、いつ使うんだろう?」と思う知識も少なくありません。
もちろん、基礎学力は大切です。
けれども、すべての子どもが同じことを、同じペースで学ぶ必要はないはずです。
興味が持てない教科を無理に詰め込んでも、身につきません。
それよりも、
- 自分で情報を調べる力
- 必要なものを選び取る判断力
- 他者と協力して課題を解決する力
こうした“生きる力”の方が、社会ではずっと求められます。
一斉授業の中では、個性や好奇心が置き去りになりがちです。
担任の先生によっては「嫌なことでも我慢してやるのが立派」といった、旧来の価値観を押し付けることもあります。
でも、不登校の子どもたちはそこから自由です。
自分の興味に合わせて学ぶことを選び、「なぜこれを学びたいのか?」を自分で考えるようになります。
これはまさに、“学びを自分の手に取り戻す”ということ。
そしてその過程こそが、社会で本当に必要な思考力・判断力・行動力を育てるのです。
学校という枠の外には、自分らしく成長できる無限の可能性があります。
次の章では、そんな子どもたちを支えるために広がりつつある、新しい学びの仕組みや家庭でできるサポート方法をご紹介します。
不登校を支える新しい学びの形
かつては「学校に行けない=学べない」と思われていました。
でも今は、時代が変わりつつあります。
全国の自治体や民間団体が協力し、不登校の子どもたちが自分のペースで学べる環境づくりを進めています。
たとえば神奈川県では、「私学修学支援センター」が不登校の私立中学生を高校卒業まで支援する取り組みを始めています。
また、地域によっては学校内にフリースクールを設けたり、オンラインで登校扱いになる制度を整えたりする動きも出ています。
こうした取り組みはまだ一部ですが、「他の地域でできているのだから、わが地域でも導入してほしい」と
声を上げることで、少しずつ広がっていきます。
家庭でできるオンライン学習3選
登校できない日に別の公的なサービスを活用できるのが一番ですが、遠かったり外に出たがらなかったりとなかなか親が希望する通りならないことが多いです。
そんな時は、その子の気分や体調に合わせてまなべるオンライン動画学習が便利です。
学年によらず先に進めることができるので、ギフテッドや2Eの子にもピッタリですね。
サブスタ
学校の許可があればサブスタでの学習を出席扱いにしてくれます。
学習アドバイザーが学習計画書を作成。
また学習進捗レポートで学習状況を学校と共有することができます。
東進オンライン学校
林修先生で有名な東進ゼミナールと中学受験塾の四谷大塚がコラボした動画学習コースです。
先生の質が高く、
小学生は1学年上で申し込むことができる。
算数は2学年分の授業が受講可能。
そしてなんと、中学生はどの学年でも先取りや復習ができます。
サービスがどんどん充実してきています。
最新情報は、資料請求して確認してくださいね。
スタディサプリ
スタディサプリは小学4年生から大学受験生までの全学年の授業が受けられます。
学校の許可があればスタディサプリでの学習を出席扱いにしてくれます。
| サプスタ | 東進オンライン学校 | スタディサプリ | |
|---|---|---|---|
| 対象学年 | 小学1年生~中学3年生 | 【小学部】年長~小学6年生 【中学部】中学1年生~3年生 | 小学4年生~高校3年生 大学受験生 |
| 料金 | 【小学生】月額 7,800円 【中学生】月額 9,800円 | 【小1~2】月額 2,178円 【小3~中3】月額3,762円 | 【ベーシックコース】 月額2,178円 【個別コース】 月額 10,780円 |
| 科目 | 国語、算数/数学、理科、社会、英語(5教科) | 英語、数学、国語、理科、社会 | 英語、数学、国語、理科、社会、その他基礎から応用まで9教科に対応 |
| 授業時間 | 10分 | 30~45分 | 約15分 |
| 無料お試し期間 | 14日間 | 10日間 | 14日間 |
| 特徴 | ・不登校で出席扱いになる。 ・無学年式で学年のしばりがない ・目的に合わせて計画を立てるので家庭学習初心者にオススメ。 ・専門家による個別学習計画作成 | ・入試対策に強い ・東進ハイスクールと四谷大塚のノウハウを活用 ・実践問題と解説を繰り返す授業 | ・幅広い学年と教科に対応 ・低価格で利用しやすい ・個別指導も可能 |
オンライン学習をうまく取り入れることで、
「学校に行けない時間」が「自分のペースで成長できる時間」に変わります。
学び方が多様化した今、子どもがどこで、どんな方法で学ぶかよりも大切なのは、“学び続けたい”という気持ちを守ることです。
まとめ:行かないことで、見えてくる未来もある
学校に行かないことは、社会から離れることではありません。
むしろ、「自分らしく生きる力」を取り戻す第一歩。
不登校の経験を通して、子どもたちは自分の感情と向き合い、やりたいことを見つけ、「どう生きたいか」を自分で考えるようになります。
それは、学校では教えてもらえないけれど、生きていくうえで最も大切な学びです。
親も子も、どうか焦らずに。
不登校は「終わり」ではなく、「新しい始まり」です。

