🪶この記事は「ギフテッド息子の中学受験」シリーズの第3章です。
▶ 第1章:教育支援センターと学校の併用登校|ギフテッド息子の小学校生活
ギフテッドや2E(発達特性を併せ持つ)子どもにとって、中学受験は“学力を競う試験”というより、
「自分に合った環境を見つけるための選択」だと思っています。
我が家の息子は、得意・不得意の差がとても大きいタイプ。
興味のある分野には集中できますが、興味がない分野にはまったく意欲を持てず、波が激しい時期もありました。
それでも、
「偏差値よりも“自分らしく過ごせる学校”を選ぼう」
という方針のもと、少しずつ受験準備を進めてきました。
この記事では、
- ギフテッド特性に合った塾や先生の選び方
- 無理をさせない家庭での勉強法
- 志望校を選ぶときに重視したポイント
を、我が家の実体験をもとに紹介します。
“頑張らせる”よりも“続けられる”を大切に。
親子で笑顔のまま乗り越えられる受験を目指すヒントになれば幸いです。
🌿息子の中学受験、わが家の方針
息子は、学校に通うだけでもエネルギーを使い切ってしまうタイプの子です。
そのため、帰宅後の学習は「量」よりも「心の余裕」を優先し、無理にやらせることは一切しませんでした。
算数は比較的得意ですが、漢字となると「読む」はできても「書く」は難しく、頭の中の情報を言葉にして整理する力にも課題があります。
国語や社会では点数が伸び悩むことが多くて、本人も「わかっているのに書けない」もどかしさを感じているようでした。
ただ、まったく書けないわけではなく、医師からも「書字障害」と診断されたわけではない、いわゆるグレーゾーンの状態。
それでも困難があるのは事実なので、「無理に克服させる」よりも「楽しく取り組める方法を見つける」ことを意識してきました。
💻“好き”を生かした学習法で、ゆるやかに習慣化
息子が大好きなマインクラフトの世界を使った学習本を取り入れ、ゲーム感覚で学ぶスタイルを取り入れました。
好きな世界観を通じて学ぶと、理解も記憶も自然に深まる。
そう感じたのは、息子が楽しそうに問題を解く姿を見たときです。
これらの教材は、遊びながら言葉のイメージをつかめるので、“書くことが苦手”な子でも抵抗感が少なく取り組めました。
📘おさがり教材も「使い方次第」で学びに変わる
娘が使っていた国語教材や参考書も、息子に合わせて少しずつ使い方を変えながら活用しました。
娘は国語が得意で、これらの教材をあっという間に終えてしまいましたが、息子の場合は同じ教材でも“別の意味での成長”につながりました。
息子は会話の中で難しい言葉を自然に使うことがあり、理解はできているのに、それを記述という形で表現することが難しいのです。
タイピングは問題なくできるのに、手書きになると一気に負担が増す。
これも息子の特性のひとつでした。
一方で、電車が好きなので地理には強く、地名や路線の知識は大人顔負け。
歴史にも興味はあるのですが、テストとなると「漢字で正確に書く」ことが求められるため、点数に結びつきにくく、悔しい思いをしているようです。
🚉興味を生かして学ぶ:地理・歴史との向き合い方
電車が好きな息子は、地理の分野が得意で、地名や路線、位置関係の知識は大人顔負け。
歴史にも興味がありますが、テストでは「漢字で正確に書く」ことが求められるため、なかなか点数に結びつかず、悔しそうにしている姿もありました。
それでも私は、「今の時点での点数」よりも、学ぶことを嫌いにならないことを大切にしています。
🏫目指したのは、“息子らしく学べる学校”
私は何よりもまず、中学・高校の6年間を不登校にならずに、楽しく通ってくれることを第一に考えました。
学歴を追うよりも、「本人が安心して過ごせる環境」を選ぶこと。
もし将来、本気で勉強したくなったら、大学受験で力を発揮すればいい。
そう思えるようになってから、受験への向き合い方が変わりました。
その考えのもと、プログラミングや技術教育に力を入れている学校を中心に候補を絞りました。
タイピングやICT操作が得意な息子にとって、“手書きが苦手でも活躍できる環境”がある学校を選ぶことが、
わが家の中学受験のゴールでした。
🌱まとめ:子どもの“得意”を信じて、環境で伸ばす中学受験
息子の中学受験は、「勉強をがんばる」というよりも、「どんな環境なら安心して学べるか」を探す時間でした。
書くことに苦手さがあっても、パソコンやICTを使えば表現の幅は広がります。
苦手を責めるのではなく、“別の方法で力を発揮できる場所”を見つけることが何より大切だと感じました。
結果的に、息子はプログラミングや技術教育に力を入れている学校に合格し、自分の強みを生かせる環境でのびのびと過ごせています。
親としては、苦手なことを全く避けるのではなく、楽しく学ぶ努力男して欲しいが、普通の子と同じようにできなくてもいい。
そんな気持ちを忘れずに見守ることが、ギフテッド・2Eの子の可能性を伸ばす一番のサポートだと感じています。
受験はゴールではなく、子どもの未来を支える“通過点”。
その道のりを、親子で笑顔のまま歩めたことに、今は心から幸せに思っています。
「苦手なことはあまり無理強いしない」というわが家の方針のもと、小学校6年間をなんとか乗り越えた息子。
中学に入ってからも、今のところ楽しく学校生活を送れています。
これからは、無理のない範囲で「メモを取る」「スケジュール帳に記入する」といったスキルも少しずつ身につけていけるよう励ましていこうと思います。