中学1年生の息子についてプロフィールと以下の記事にまとめています。
娘とは異なり、息子は小学校6年間を不登校にならずに卒業することができました。これは本当に幸いなことでした。
ただ、もし生まれた順番が逆で、息子が長子だったら。
その場合、息子もまた不登校になっていた可能性が高いと私は感じています。
というのも、娘は幼い頃から「自分を殺して周囲に合わせる」ことを無意識に続けてきました。
私自身、その異変に気づかず、小学5年生のときに娘をうつ状態にまで追い込んでしまいました。
完全に心が折れてしまったところから立ち直るまでには、3年近くの時間を要しました。
学校という“集団の場”で過ごすには、ある程度の「協調性」は必要です。
でも、それを無理やり強要してしまえば、息子もまた心が壊れてしまうかもしれません。
すでに軽いチックや強迫性のような症状は現れていました。
今回の記事では、息子の小学校生活や中学受験に向けた取り組みについて、これまで書いてこなかった視点から綴りました。
教育支援センターを活用しながらの登校、その後の変化
4年生から息子は、教育支援センター(適応指導教室)を活用して登校を続けてきました。そのきっかけや背景については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
年生のとき、息子の担任の先生がとても相性の良い方で、安心して学校生活を送ることができました。そこで、6年生でも同じ先生が担任になっていただけるよう、学校側にお願いしました。
結果として、その希望が通り、6年生でも引き続きその先生が担任に。さらに運の良いことに、息子が信頼を寄せる数少ない仲良しの友達2人も、同じクラスになりました。
ただ、週に2回教育支援センターへ通っていると、せっかくの好条件、信頼できる先生や気の合う友達との関わりの時間が少なくなってしまいます。
そこで思い切って、息子にこう提案してみました。

6年生から教育支援センターは週1回に減らしてみようか?
もし合わなければ、また週2回に戻せばいい。
そんな気持ちでの提案でした。
結果的に、最後まで週1回のセンター通いを継続。
その他の日はクラスで過ごすことができました。
センターに行く日は、主に塾の宿題などを中心に自習していました。
勉強がはかどるだけでなく、「集団から一時的に離れる日」があることで、心のバランスを保つ助けになりました。
息子の習いごと:多様な体験で興味の偏りを防ぐ工夫
息子は就学前から、スイミング・格闘技・楽器といった複数の習いごとを始めました。
ASD傾向があることもあり、「できるだけ興味が偏らないように」と意識して選んだ内容です。
私自身、最初から長く続けさせようとは思っておらず、

合わなければやめればいい
という覚悟で始めたのですが、意外にもすべての習いごとをそれなりに長く続けることができました。
とくに運動系の習いごとは、自分の得意・不得意を意識する前の素直な幼少期にスタートできたことが功を奏したと感じています。
頭を使う方向に偏りがちな息子にとっては、まさに“荒療治”ともいえる貴重な体験でした。
また、息子はマインクラフトが大好きで、現在はオンラインの創作チームに参加しています。
1人の大人が常に間に入ってくれているため、子ども同士のトラブルもなく、安心して取り組めています。
さらに、オンラインなので移動の負担が一切なく、中学受験の勉強とも両立可能な習いごととして非常に助かりました。
息子の中学受験塾
息子は小学3年生の半ばから、娘も通っていた中学受験塾に入塾しました。
娘の時と同様に塾の先生方は、息子の特性を理解して対応して下さいました。
苦手なことを強制するようなことは一切ありませんでした。
志望校の選定も、「名門」「偏差値重視」といった基準ではなく、息子のようにじっくり考えるのが好きな“のんびりタイプ”の子が、入学後も楽しく過ごせている学校を丁寧にピックアップしてくれました。
その結果、自然と偏差値の低めな学校が多くなりましたが、息子に合った進路選びが第一だと感じていました。
また、学校のスタイルについては、当初は共学を想定していましたが、塾の先生から男子校も視野に入れるよう勧められました。
実際に見学に行ってみると、予想外にのびのびとした雰囲気が印象的で、「男子校の良さ」に初めて気づかされました。
ただし、現在は男子校の数が少なくなっているため、穏やかそうな女子が多い共学校も選択肢に入れました。
息子の中学受験、わが家の方針
息子は、学校に通うだけでもエネルギーを使い切ってしまうタイプの子です。
そのため、帰宅後の学習については無理にやらせることはせず、本人のペースと心の余裕を最優先にしてきました。
算数は比較的得意ですが、漢字は「読む」ことはできても「書く」ことが難しく、頭の中の情報を言語化・整理する力にもまだ課題があります。
そのため、国語や社会ではどうしても点数が伸び悩み、本人ももどかしさを感じている様子です。
ただ、全く書けないわけではないため、いわゆる「書字障害」とは診断されておらず、グレーゾーンのような状態です。
とはいえ、困難があるのは事実なので、無理をさせず、本人が楽しく取り組める教材や方法で学ぶ工夫をしています。
息子が大好きなマインクラフトをテーマにした学習本を活用して、ゆるやかに学習習慣をつけるようにしてきました。
好きな世界観を通じて学ぶことで、ストレスなく知識が定着しているように感じています。
娘が使っていた国語の市販教材や参考書も、おさがりとして息子に活用しました。
娘は国語が得意で、これらの教材もあっという間にマスターしてしまったのですが、息子にとっては別の意味で役立っています。
というのも、息子は会話の中では難しい言葉を自然と使うことがあり、頭の中ではしっかり意味を理解している様子です。でも、それを記述という形で表現するのがとても難しいのです。
タイピングは問題なくできるのに、手書きになると極端に負担が増すというのも、息子の特性のひとつです。
一方で、電車が好きなので地理には強く、地名や路線の知識は大人顔負け。
歴史にも興味はあるのですが、テストとなると「漢字で正確に書く」ことが求められるため、点数に結びつきにくく、悔しい思いをしているようです。
私は、何よりもまず、中学・高校の6年間を不登校にならずに、楽しく通ってくれることが一番大切だと思っています。
自慢できるような学歴を得たいと思うなら、大学受験で本気を出せばいい。その時に力を発揮できるよう、今は息子の特性に合った環境を選んであげたい。
プログラミングや技術教育に力を入れている学校を中心に、いくつかの候補校を絞りました。
パソコンスキルを活かせる学校に合格しました
プログラミングや技術教育に力を入れている学校を中心に、中学受験の候補校を絞ってきました。
その中のひとつ、息子の特性と強みを活かせる学校に、無事合格することができました。
この学校は、パソコンの技能を活かして学べる環境が整っているため、タイピングやICT操作が得意な息子にとって、とても合っていると感じています。
「苦手なことはあまり無理強いしない」というわが家の方針のもと、小学校6年間をなんとか乗り越えた息子。
中学に入ってからも、今のところ楽しく学校生活を送れています。
これからは、無理のない範囲で「メモを取る」「スケジュール帳に記入する」といったスキルも少しずつ身につけていけるよう、適度に促していこうと考えています。