2EなどIQが高めで発達特性があるお子さん。
得意な部分をもっと伸ばしたいのに、公教育では知的好奇心を満たしてもらえないことがほとんど。
よし!中学受験を目指そう!
そう決めたとしても、はたして塾でうまくやっていけるのか?不安ですよね。
家庭教師や個別指導塾はコストが高い上、相性の良い先生を探すのに時間がかかる。
かと言って、通信教材は家で親が声掛けをしなければならない。
もしお子さんが勉強好きになれるような中学受験専門塾が見つかれば一番ですよね。
我が家は塾選びに成功したおかげで、塾が家以外の居心地の良い場所になりました。
勉強の楽しさを教えてもらえたし、学校では難しかった先生やお友達との信頼関係を築く経験ができました。
この記事ではどのような経緯でその塾を選んだのか。
またどのような点が良かったかについて書きました。
誰かのお役に立てたら嬉しいです。
全く合わなかった公文式
小学校に入ってすぐに公文の体験学習に行きました。
家から5分もかからないところにあるその公文教室は、隣の学区から通う小学生もいるほど評判は上々。
始めは国語から。慣れたら算数もと思っていました。
その上更に。
鉛筆の持ち方がおかしく、字が雑なこともあり公文書写まで習わせました💦
今から思えば、なんて娘に負担をかけていたのでしょう。
学校を含めて、毎日させていた宿題は以下の通り。
- 国語の教科書の音読
- 計算ドリル
- 漢字ドリル
- 公文国語プリント
- 公文書写プリント
学校の宿題すらなかなか終わりません。
公文の国語プリントも文章題はやるけれど、漢字となるとすぐに天井を見つめてボーっとしたり、爪をかんだりと上の空。
あとから分かりました。
単調な繰り返し作業が誰よりも苦痛だと言うことに。
公文式の「100点をとれるまで同じプリントを繰り返し行う」と言うのが特に合いませんでした。
100点をとればいいのですが
ADD(注意欠陥障害)なので、うっかりミスを頻発。
既に理解しているのに、何度もやらなければならない。
今思うと、本当にかわいそうでした。
一番合わない勉強法だと気づくのが遅すぎました💦
塾を探す
3年生になると算数に苦手意識を持つようになりました。
計算がとにかく遅くて、学校の計算ドリルを終わらせるのに時間がかかりすぎる。
公文の算数は計算だけで、文章題や図形は習いません。
学校からの計算ドリルの宿題があるのに、更に公文の算数プリントをやるのでは、
楽しいと思えるはずがありません。
間違いなく算数嫌いになります。
かと言って中学受験を考えるならば、算数が苦手のままでは不利です。
とにかく算数を少しでも好きになってほしい!
そう願って娘に適した教室がないかとネットで調べまくりました。
家から通えそうな塾をいくつか絞り込み、体験授業に参加させて決めることに。
体験授業に参加して娘を一番やる気にさせてくれた塾に決める
娘がすぐに入塾を決めたのは、近所ではあまり知られていない塾でした。
小さい看板がドアにかかっているだけだったので、なかなか見つけられずに電話をするはめに。
体験授業の内容は『点字の規則性』について。
塾長の授業でした。
偶然そのころ点字に興味があった娘。
あまり算数らしくないテーマのお陰もあって、先生からの質問にも意欲的に答える娘。
塾長は親を気に掛ける様子は全くなく、子どもの反応だけをみて授業をしていました。
授業が終わった後に娘に
ここは勉強を頑張りたいと思う子だったら誰でも入れる塾だよ。
もしここで頑張りたいと思ったら、この用紙をお母さんに渡してね。
と入塾届を渡しました。
娘は迷わず入塾を決意。
そのまま入塾しました。
娘が入った塾の特徴
1クラスが9人までの少人数制
3年生の時は娘のクラスはたったの4人。
塾長は提携塾で開成の算数を教えている程の人。
それでも国語も算数も塾長が教えてくれました。
4~6年生になるにつれて学年の人数は少しづつ増えて行きましたが、能力別に分かれるので多くても6人以内で教えてもらえました。
注意がそれやすいADD(注意欠陥障害)ですが、人数が少ないことで集中が途切れにくかったようです。
保護者よりも子どもを大事にする
月謝を払うのは保護者。
なので、ほとんどの塾はまず保護者に良い印象を与えようとします。
ところが娘の塾は親には淡々と事務的に、娘の様子や家庭でのサポート方を伝えるだけでした。
「冷たい」と不満を持っている親御さんもいました。
しかし娘の話からは、塾の先生たちが情に厚いことが伺えました。
娘が勉強に興味を持ってくれればいいので、保護者よりも子どもを大事にしてくれる方が信頼できました。
子ども思いの先生が多い
宿題は基礎と応用問題とに分かれていて、基礎ができたら応用もやるように言われていました。
しかし娘は、基礎すら全部終わりません。
それでも叱られたことは一度もなく、先生からのコメントはいつも励ましに充ちていました。
入試直前には、アットホームな激励会。
その塾が大好きな先輩たちが自ら集まったとても心温まる会でした。
中堅塾と提携しているので塾内で模試を受けることができる
あまりに小さい塾では、切磋琢磨されないので成績が伸びにくいことがあると聞きます。
娘の塾はある中堅塾と連携しているので、定期的に模試もあります。
順位や偏差値が科目ごとに分かるので、向上心を持ち続けることができました。
適度にアットホームで適度に緊張感を持つことができたので、娘にはちょうど良かったです。
家から歩いて15分以内
塾に限らないことですが習い事が家から近いというのは、時間と労力の節約ができるという、大きなメリットがあります。
特に感覚が過敏で疲れやすい特性があったり、処理速度IQが低い子どもには、絶対に必要な条件だと思います。
通塾で疲れて学習に身が入らないのは、本末転倒ですから。
また娘は忘れ物が多かったので、すぐに届けに行けるのも安心でした。
なんと模試の日に引き用具を忘れるなんてこともありました(>_<)
受験を終えた感想
「第一希望に合格できた!」「御三家に受かりました!」など、一般的には入試の結果で塾の評価をするものだと思います。
わが家は受験をした中で、一番偏差値の高い学校には合格できませんでした。
それでもやはり、娘が通った塾がベストだったと思っています。
家と同じかそれ以上に、娘の大好きな場所になりました。
娘は高学年になるにつれて、学校で居場所を見つけられなくなっていました。
あの塾に出会わなければ、家にずっと引きこもる生活を送っていたかもしれません。
二次障害になって塾にも通えない時期がありましたが、先生方はその間もずっと私たち親子を支えてくれました。
そしてまた塾に戻ることができました。
視野が狭い娘には、
という経験が最高の療育になりました。
『発達障害児の専門塾』もあります。
しかし、レビューによると先生によって理解にバラつきがあるなど万全ではないようです。
一方娘の塾の宣伝には発達障害については何もかかれていません。
特性が分かった時点で伝えたところ、長年子ども達を見てきたうえで
「このような子どもにはこう接する」
と言うノウハウのみで対応してもらっていました。
もともと『誉めて子どもの力をのばす方針』だったのが良かったように思います。
全く問題がありませんでした。
集団塾が合わなかったら個別塾、家庭教師と試す気持ちで
「大手の塾に入れてなんとかついて行くことができれば、いい中学校に入れる」
と思いがちですが
面倒見がいい所はなかなか見つけにくいでしょう。
知り合いが行っているからと、安易に決めてしまわずに
いくつかの体験授業に参加してからゆっくり決めて下さい。
コミュニケーションが苦手だから、個別か家庭教師でと最初から思い込む必要はありません。
表向きに惑わされずに「家以外の居場所を見つけてあげる」つもりで塾を探してみるといいと思います。
こちらの本は中学受験についてなんとなく考え始める3年生ぐらいからの親御さんが読むと、幅広く情報を集められていいです。
特にどこの塾を押すわけでもなく、客観的に情報が集められています。
お子さんにとって一生を変えるような素敵な出会いがある事を願ってやみません。