母が証券会社の営業にカモにされ、大切な家族資産の多くを失いました。
そして今回、母の「なぜ他人の悪意が分からないのか」を確かめるため、
WAIS-Ⅳ(大人の知能検査)とAQ(ASD傾向を測る検査)を受けてもらいました。

検査の結果が出たことでわかったのは、
- 発達障害を放置したまま高齢期を迎えることの危険性
- IQが高くても「人の意図を推測する力」が弱いと、悪質な営業に狙われる
- 親の失敗は子ども世代の教訓に必ずなる
この3点です。
私は、得意・不得意の差が激しい子ども(ギフテッド/2E)を育てる親として、「苦手さを数値化し、記録として残すことの重要性」を強く実感しました。
母を反面教師にしながら、改めて“子ども達の苦手さ”に向き合っていこうと決心しています。
母もギフテッドだった?
WAIS-Ⅳの結果は「FSIQ 134」
驚いたのは、母のIQが非常に高かったことです。
- 全検査(FSIQ)…134
- 知覚推理…140弱
- 言語理解…120台後半
- ワーキングメモリー…130弱
- 処理速度…120弱
4つの指標すべてが平均の“はるか上”。
弱点はどこにもありませんでした。
しかし、これは喜ぶべき結果ではありません。
Seiran私は「他人の言いなりになる異常さの証明」を求めて検査したからです。
さらに、母は高齢でWAIS-Ⅳを受けているため、IQ130以上は参考値として見る必要があります。
とはいえ、知的能力が高いこと自体は確かです。
母と息子は似ている?
数学が得意でも“種類”が全く違った
母は数学が大得意で、



高校卒業まで、ずっと数学は学年1位だったのよ!
と母の口から何度も聞きました。
- 反復計算は得意(計算の速さ)
- 図形や割合は苦手
という特徴がありました。
息子はその逆で、
- 図形・割合・空間認知が強い
- コツコツ型の計算ドリルは嫌い
同じ「数学が得意」でも、得意分野がまったく違うのが興味深い点です。
意外だった「ワーキングメモリーの高さ」
ADHDタイプの人の多くは、ワーキングメモリーが低めと言われています。
ところが母は130弱と高い数値。
ただし母には、
- 衝動性
- 物の紛失が多い
- 片付けが極端に苦手
- 注意が散りやすい
など、明らかなADHD的特徴があります。
「答えがある課題を解くときだけ能力が上がる」タイプで、検査環境では得点が伸びたのだと思われます。
AQ(ASD指数)はどうだった?
ASDとは確定せず。ただし「社会スキル」と「想像力」が基準超え
AQ(自閉スペクトラム指数)では、母は以下の評価でした。
- 27〜32点(②の範囲)= ASD傾向はあるが診断には至らない
しかし、
- 社会スキル(対人能力)
- 想像力(相手の意図の読み取り)
この2つが平均を外れ、基準値を超えていました。
つまり、
人の悪意・意図を読み取れないという母の弱点は、数値として確認できた
ということです。
母は最終的に「ASD(軽度)」の診断が下りた
WAIS-ⅣとAQだけでは不十分でしたが、
成育歴と家族が感じてきた困りごとの多さから、最終的に広汎性発達障害(旧:PDD、現:ASD)
の診断がおりました。
しかし、ここで問題があります。
発達障害は生まれつきなのに、裁判では“問題発生前の診断”でないと認められにくい現実
本来、発達障害は生まれつきの特性です。
だから「いつ診断されても同じ」なはず。
ですが実際の裁判では、
金融商品購入より後に診断された
→「購入時点では理解力があった」と扱われる
→ 被害が認められにくい
という理不尽な状況が多いそうです。
認知症も同じ。
証券会社は必ずこう主張します。



今はご記憶があいまいになっているかもしれませんが、その当時はリスクを理解していたはずです。
実際、母が狙われたのは“80歳手前”
誰しも70歳を過ぎれば判断能力が衰えるのは自然なこと。
母に証券会社の営業が取り入り始めたのは、80歳手前のことでした。
名目は「NISA口座の開設」。
人を疑えない母は、「私のために来てくれた」と思い込み、そのまま高リスク商品を買わされ続けました。
母に悪意はありません。
ただ、断れなかっただけ。
それでも日本では、
投資は自己責任
の一言で片づけられ、裁判でも救われにくいのが現実です。
金融機関が勧める金融商品に良いものはありません。自分で勉強し、納得した上で選ぶことをおすすめします。
営業と関わる必要がないネット証券やネット銀行を、なるべく利用しましょう。
ネット証券でも、外貨預金や高コスト商品をメールで勧めてくるので要注意です。
高齢者の発達障害診断は難しい
だから「今」数値化することが大切
成人後、特に高齢になってからの診断は非常に難しいうえ、
- 大半の困りごとが「認知症」で片付けられる
- 過去の被害を証明できず泣き寝入り
- 家族が守るしかない
という残酷な現実があります。
ASD特性を数値化できる他の検査
参考までに、ASD傾向を測る代表的な検査は以下の通り。
- PARS-TR(聞き取り/子ども向け)
- CARS(行動観察/子ども向け)
- ADI-R(養育者面接)
- ADOS-2(対人場面の観察)
高齢者が受けられる医療機関はごく少なく、母が受けられたのはWAIS-ⅣとAQまででした。
CARSは以下の評定シート本を買うと、家でもある程度傾向を知ることができます。
苦手さを記録しておくことが“未来の自衛”になる
私たちの子ども時代は、会話が成立するレベルなら「問題なし」とされがちでした。
でも、苦手な部分を放置すると、母のように“人生後半で大きなリスク”として現れる可能性があります。
- 得意・不得意を把握する
- 数値化して残す
- できない部分は環境調整で補う
これはギフテッド/2Eの子を育てる親にとって必須だと痛感しました。
絶対に覚えておいてほしいこと
「営業が勧める金融商品は買わない」
- 銀行
- 証券会社
- 保険会社
どれも“売りたい商品”があり、顧客の利益より社内ノルマが優先です。
営業のおすすめ=買ってはいけない商品
これは鉄則です。
NISAをするなら、楽天証券などネット証券一択です。
IQが高いだけでは生きていけない
本当に必要なのは、金銭・身体・対人の「自衛力」
母はIQが高く知的に優秀でした。
でもその能力だけでは、悪意ある大人からは身を守れませんでした。
今まで母が無事だったのは、子ども時代は親に、結婚してからは父に守られていただけ。
最後まで私たち家族が守り続けるしかありません。
そして私は、自分の子ども達には“自分を守る力”を身につけてほしいと強く願います。


