生徒と先生を型にはめる『教育スタンダード』が不登校を増やしている。

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教育スタンダード 高IQ・2E教育

皆様の地域には教育スタンダードはありますか?

私の地域には〇〇(地域名)とスタンダード、〇〇小(学校名)スタンダードがあります。

教育スタンダード は、2007年に山口県で採用されたのがモデルになり、
2014年から急速に各地に広がっていったそうです。

知らない方のために『日本教育行政学会年報』から引用します

「児童生徒の学習規律や持ち物,授業中のふるまい,目指す児童生徒像など,教員が児童生徒に対

し指導すべき事柄や児童生徒自身が遵守したり目指したりする内容を示したもの」

日本教育行政学会年報 No. 44(2018)

さらに詳しく知りたい方は下記記事を見つけましたので、ご参照下さい。

教育現場に広がる「標準」とは? 〝30秒で泣ける漫画〟の作者が描く

「教育スタンダード」特に新米の先生方からは、次のような理由で歓迎されているそうです。

  • 指導方法が明確化されて、戸惑いがなくなる
  • 保護者に説明がしやすくなる

それでは、子どものためにはなっているのでしょうか?

ADHD、LDを始めとして、このスタンダードの通りの成長をしない生徒が必ず一定数存在します。

にもかかわらず、真面目な先生ほどこれをノルマのように感じて、基準を満たせない生徒をなんとか矯正しようとします

これでは学校が苦痛になり、居場所がなくなります。

間違いなく不登校児を増やしている原因になっていると思っています。

<引用>認定NPO法人3keys(スリーキーズ)HP

グラフから分るとおり、不登校の割合は2012年から急速に増えています。

この記事では私の地域のスタンダードを例としてあげて、問題点について考えていきます。

そもそも憲法・教育基本法、そして最新の文科省の指針に反している

教育に関して一番効力があるきまりとは、考えるまでもなく日本国憲法、次に教育基本法です。

どちらも同様に「すべての国民が、その能力に応じて教育を受ける権利を持つ」ことを保障しています。

すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。

(日本国憲法 第二十六条)

すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならないものであって、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。

(教育基本法 第3条)

また文部科学省内に設置されている中央教育審議会が、令和3年1月26日の第127回総会で今世界で主流になっているSDG’sを意識した方針をまとめました。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(答申)(中教審第228号) 【令和3年4月22日更新】

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/079/sonota/1412985_00002.htm

『教育スタンダード』に合わせようとする教育で、個別最適な学びが実現できるのでしょうか?

『みんなの学校』でおなじみの大空小学校の元校長、木村泰子さんのことばを借りると、

公立学校の最重要目的は

『その地域のすべての子ども達に適切な学びの場を与えること』

です。

基準を満たせない生徒を結果として排除しているなら、違法行為です。

ピンとこない方も分かりやすいように、私の地域の教育スタンダードを例にあげます。

わが地域・学校の教育スタンダード

うちの子ども達の公立小学校のスタンダードです。

これの何がいけないの?

と思われる方もいるでしょうか。

このスタンダードの基準が満たせない生徒は、クラスに一定の割合でいるはずです。

そのことが想像すらできない先生にあたってしまうと、指導という名の虐待を受けることになります。

娘はこの規律を盾に、生徒を厳しく指導する担任にあたってしまいました。

その結果、登校しぶりから重度のウツになりました。

「何か持ち物や課題を忘れているのではないか?」

登校しようとするのですが不安になって玄関で座り込み、一歩も進めなくなりました。

詳しくはまた別の記事で書きますが、

娘の当時の担任は、忘れ物をした生徒たちに

担任
担任

皆が迷惑するんだぞ。

とクラスメイトの前で謝らせていました。

また授業に集中していないように見える生徒に、静かに座っているのにも関わらず

担任
担任

人の話を聞かないやつは失礼だ

と授業を中断して長時間の説教をしていました。

これが二時間続くこともあるので、まじめな生徒も苦痛な時間を味わいます。

「同じことをすれば自分も叱られる」そう思っておびえる子がいる反面、

「あいつ、また忘れたの?」とバカにする子もいました。

先生が助け合いの精神をはぐくむチャンスをつぶし、

「迷惑な存在だ」と生徒達に植え付けています。

この事を校長先生や副校長先生に手紙で抗議しました。

その回答も手紙で受け取りました。

学び方スタンダードに

「前日に必要な準備を用意します」

「話している人をみて、最後まで静かに話を聞きます」

とあります。

だから担任の指導は正しい。

最後は、そうしめくくられていました。

努力してもスタンダードを守れない子の例

ADHD、ASDの子

信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室 教授、本田秀夫さんをはじめ、発達障害に詳しい方は

「ADHD傾向の子どもの忘れ物をなくすことはできない。」

と断言します。

私も自分の子ども達を見ていてそう思います。

よほどウキウキする行事がある時でないと準備しないし、

たとえ準備させることができても、完璧に忘れものさせないことなどできません。

学校で連絡帳に書いてくることも忘れるので、親が手伝うのにも限界があります。

すずらん
すずらん

親子で疲れ果てました

また、生まれつき体幹が弱い子がいます。

そのような子は

「背筋を伸ばした姿勢をキープする」ことが難しいのです。

普通級にもADHD、ASDの傾向のある子は10人に1人の割合でいると言われています。

にもかかわらず先生からは「態度の悪い子だ」と思われてしまいます。

スタンダード化されると、ますます厳しく指導をされがちです。

九九や漢字を覚えられない子

その他、英語、算数(数学)、国語、体力スタンダードなんてものも存在します。

例えば、算数なら写真のものです。

知的能力が高くても、九九を覚えられない人がいるのをご存じでしょうか?

例えば、脳科学者の池谷裕二(いけがやゆうじ)さんは、九九と漢字を覚えられないそうです。

それでも東大薬学部に首席で進学し、大学院も首席で卒業されています。

九九は倍、10倍にする、半分にする

ができれば、全部解けるのだとか。

九九を言えなくても、まったく大丈夫なのです。

人の顔を覚えられない先天性相貌失認症があるので、物の形を記憶することが困難なことから漢字が苦手なのかもしれないとのこと。

このような方に九九と漢字を覚えることを無理強いするのは、労力と時間の無駄です。

ところがスタンダード化してしまうと、

「クラス全員に九九や漢字を覚えさせること」

が先生のノルマになってしまいます。

書字障害の子

NHKの番組、『ハートネットTV』に書字障害の男性が出演していました。

ハートネットTV「“書けない”ボクと母が歩んだ道~学習障害と共に~」

書くことが苦手な為、小学校の授業が苦痛でした。

またテストでは一生懸命答えを書いても「字が汚い」と✖にされてしまい、成績がとても悪かったそうです。

字が苦手な事で入学してまもなく、学校に行けなくなってしまいました。

彼のご家族は最初は人並みに漢字を練習させていたが、ある時から

「できないことは無理にしなくていいよ」

というスタンスに変わったそうです。

彼は高学年になってからパソコンやタブレットに出会い、そして勉強の楽しさに気づきました。

2021年の4月から慶応義塾大学に通っているとのこと。

「自分と同じことで苦しんでいる人を助ける会社を起業したい!」と

希望に充ちた表情で語られていました。

つぶれなくて本当に良かったと思います!

字が書けなくても大丈夫なのです。

我が家の小学生息子も書字が苦手です。

ノートパソコンを買ってあげることで、嫌がっていた作文も書くようになりました。

入学前からスタンダードに従う事を提示されていた

入学前に配られた小学校のしおりを読み返していると、

「どの子も〇〇小(学校名)スタンダードの内容が身に付くように指導していきます」

とはっきり書かれていました。

まるで親と学校の約束事かのように。

何歳で何ができるかは人それぞれ

生まれた時から一人ひとり、得意な事と苦手な事が違います。

自分ができることが、他の人もできるとは限りません。

〇年生になったら、△△ができる

そんなに単純じゃありません。

努力したら誰もができるようになるなんて幻想です。

だからそんな思い込みで指導して、子どもを学校から追い出さないでください!

たとえ登校できなくても家族に理解があるなら、長い人生いつかは立ち直れるかもしれません。

でも家族だって「子どもは学校に通うもの」と思い込んでいます。

行けないことで一緒になって落ち込んだり、また学校の味方になって無理につれて行こうとしたりと間違った対処をしてしまう例は多いです。

不登校の2割は大人になっても引きこもってしまうそうです。

最悪、自死を選ぶ場合だってあります。

不登校生を受け入れた寮生活を行う、三重県桜丘中学校・高校の学園長、青田進さんによると、

「不登校経験者の二人に一人は自殺を考えたことがある」のだそうです。

学校に行けない事はそのくらい、心のダメージが大きいのです。

大人が決めたスタンダードに子どもを合わせるのではなく、

個々の子どもの成長に合わせて、大人がサポートしてほしいです。

大空小学校や麹町中学校のような、子どもの主体的な学びを大切にしている学校が、全国に広がって欲しいと切に思います。

【追記】工藤勇一先生もツイートされた!

公立なのにも関わらず劇的な教育改革をなしとげた麹町中学校の元校長先生、工藤勇一さんが『スタンダード』についてツイートされていました。

少数派の子どもたちのこともきちんと考えて下さる。

すずらん
すずらん

思考停止しないで、気付いてくれる学校関係者が増えますように!