学校生活では困難を抱えていたお子さんが、『学校に通うこと』から解放されて別の道を切り開き、
現在生き生きと活躍している人を紹介していきます。
岩野 響(いわの ひびき)さん
コーヒー焙煎士 服デザイナー フォトグラファー
10歳で発達障害のひとつ、アスペルガー症候群と診断された岩野響さん。
中学校に通えなくなったのをきっかけに、あえて進学しない道を選びました。
岩野さんはその後、持ち前の鋭い味覚と嗅覚を生かしてコーヒー焙煎士になります。
学校の授業を受けたり、宿題をやることが困難な響さんでした。
一方、コーヒーの焙煎は豆の違いやわずかな火加減による味の違いも見逃すことなく、
1日に10時間以上も集中して続けられるそうです。
響さんが焙煎士への道に進むまでのエピソードが書かれた本が、2冊出版されています。
『コーヒーはぼくの杖~発達障害の少年が家族と見つけた大切なもの』は
AmazonのKindle Unlimitedに契約すると、電子版を無料で読むことができます。
お父さんの開人さん、お母さんの久美子さんと響さんご本人のそれぞれの視点から,
過去を振り返る内容となっています。
開人さんが語る、響さんの学生時代のエピソードで、
「いくら促しても宿題を前にして鉛筆を持ち固まったまま、どのくらい時間がたっても進められなかった。」
とあります。
娘も息子も苦手な学校の宿題に関しては、響さんとまさに同じ。
全く始められません。
思わず共感。
学校では騒がしい教室でじっとしていられない、廊下に寝ころんでしまうと言う事も書かれていました。
一番印象に残ったのは、開人さんが響さんを中学校へ車で送ったとき、
助手席で響さんが戦場に向かう兵士のような顔をしているのを見て
「もう中学へは行かなくていい」と引き返すシーン。
私はかつて登校をしぶる娘を無理やり学校へ送って行っていました。
むしろ、なるべく娘の辛そうな顔を見ないようにしながら。
猛烈に後悔してます
もともと自由な発想を持ったご両親だったからこそ、響さんは
学校と言う型にはめられることなく早くから社会に出て才能を発揮することが出来ているのですね。
響さんのご両親は群馬県桐生市で「RIPPLE YōHINTEN (リップル洋品店) 」と言う洋服やさんを経営されているとのこと。
デザインと縫製をするのがお母さまの久美子さん、染色を担当するのがお父様の開人さん。
桐生の伝統を守るように染めた生地で 服を作り販売されているそうです。
響さんのコーヒーを飲んでみたいなと思って調べたら、
表参道に『HORIZONLABO OMOTESANDO』とお店を経営されていました。
焙煎所があり、響さんのコーヒーが販売されている他、リップル洋品店の服が買えるようです。
月に決まった日しか空いていないようなので、行く前に確認した方がいいですね。